著作権の話

ポスティングなどに使用するチラシを作る際に頭を悩ませるのが
チラシの制作です。
チラシを制作するときに世の中に出回っているコピーやその商品の効果などを
上手く伝わる様に作るとき、他社の広告や言い回しを
引用しようと考えることがあると思います。
しかしこの「引用」が思わぬトラブルのもととなる可能性があります。
今回は「著作権」について少しお話ししようと思います。
 
引用と転載・・・
このいずれも他者の著作物を複製・コピーすることを指します。
基本的にあらゆる著作物の著作権者には「複製権」があることから、
個人的・家庭内使用といった
「私的使用のための複製」
など一部の例外を除いて、
他人が無断で複製することは「不可」と考えられています。
しかし著作権法では私的使用目的に限らず、
「公正な慣行に合致するものでありかつ報道・批評・研究その他の
引用の目的上正当な範囲内で行なわれる場合には、
無断で他人の著作物(公表されたもの)を引用することができる」とされています。
例として自己の論文において自説を補完する目的もしくは
自説と相反する表現を目的として他者の論文を引用するというケース。
著作権法では「公正な慣行に合致するもの」とあることから、
報道、批判、研究など、「引用する必要が認められる場合」でなければ、
引用することは「NG」となります。
また「正当な範囲内で」とあるのであくまで自身の
著作物の「従たる範囲」で他者の著作物を引用できることに限定されます。
加えて引用する場合には引用元となった著作物、
即ち他者の著作物の関する出所(著作者名と作品名)を引用部分に明示する必要があり、
例として(ルソー著「人間不平等起源論」より引用)などと記載し、
自己の著作物と引用部分とを明確に区別することが重要です。
引用元は文書に限らず写真(画像)や図・表など、
引用可能なあらゆる著作物が対象です。
その一方で「転載」とは、
自己の著作物の「従たる範囲を超え」て、
他者の著作物を複製及び掲載することを指します。
例としては自己のブログの大半部分で好きな作家の小説の
一部を掲載し好きな曲の歌詞を載せるケース。
しかしこの場合、引用とは異なり転載をするためには、
その著作権者の許諾が必要となり、
「大好きな作品だから」
「感銘を受けたから」
「みんなに紹介したいから」
という目的であっても無断で転載することはできません。
これは「複製権の侵害」となってしまいます。
正規品の販売元や著作者本人のホームページ等を
紹介する程度にとどめ他方が無難です。
例外として官公庁が一般に周知することを目的に作成しており、
さらには官公庁が著作名義を有する広報資料や調査統計資料、
または報告書類に限っては転載禁止の表示がない場合に
転載することが可能となります。
許諾を受けるなどして他人の著作物を転載する場合においても
引用と同じ様にその出所を明示する必要があります。
この様に法的には
「無断引用はOKだが、無断転載はNG」
ということになっていても、そうしたことを引用元の著作権者が知らなければ、
後にトラブルとなる懸念があるので注意が必要です。
様々なポスティングチラシや新聞折込、フリーペーパーなどの広告物で
広くその魅力を伝えるために多くの文献的な記述を
引用したいと考えることがあると思います。
しかし、その「引用」という行為がトラブルの原因となる可能性を含んでいることに
十分注意したいものです。
名古屋ポストサービスではポスティングなどの
チラシ制作において著作権に関しても最新の注意を払っております。
文言の表現方法にお困りの方はぜひご相談下さい。